2006/02/22 産経新聞
ハイレベルの中学受験で知られる首都圏の進学塾「サピックス」(本部・ 東京都中央区)に通っていた在籍児童延べ約三百人分の名簿が何者か によって持ち出され外部に流出していたことが二十一日、分かった。
名簿には児童生徒の自宅の電話番号や成績に応じて決まる在籍クラスや視力など個人情報が盛り込まれていた。サピックスでは「極めて遺憾 な事態」として調査に乗り出したが、流出経路の特定などはできなかった ため、警視庁に被害届を出す方針。
流出したのは、平成十四年度と十五年度にサピックス自由が丘校に在籍した小学校五年生と六年生延べ二百八十五人の氏名、在籍番号、 クラス、自宅の電話番号や視力などの個人情報が記された名簿。 サピックスの説明では入塾の申し込みの際、本部でコンピューター管理している名簿ではなく、校舎独自に作成したものだという。
名簿の一部には児童一人ひとりに連絡した痕跡を示すようなチェック が手書きで上書きされていた。流出した名簿を使い、生徒へ直接、教材の売り込みや個別指導の勧誘など、個人情報保護法で禁じた名簿の目的外利用が行われた可能性があり、サピックスでは「極めて遺憾」としている。
サピックスでは「これまで塾講師も含めて社員には名簿など個人情報を勝手に持ち出したりしないよう誓約書を取り厳格に管理してきた。しかし、 これほどの人数分の名簿が持ち出されるのは驚き」として流出経路などの調査に乗り出し、名簿が当時の在籍児童のものであることは確認したが「内部の協力なくして持ち出しは考えにくいが、名簿に盛られた児童は既に卒業しており、調査は行ったが流出経路の特定はできなかった」と話す。このため、サピックスでは具体的な流出経緯や持ち出しの実態などを明らかにするため、警視庁に被害届を提出する方針を決めた。
サピックスは、平成元年に設立された難関国立中や私立中向けの受験指導を行う進学塾。首都圏に二十五以上の校舎があり、在籍する小学生は約一万一千人。グループでは高校受験や大学受験の指導も手がけている。